Intel RealSense USBエクステンダー

Intel RealSense 同梱の USB ケーブル

Intel RealSense はデプスカメラやトラッキングカメラなどを提供しており、近年流行っているIoTや機械学習などと併せて利用されることが多いです。 Intel RealSense を購入すると、本体と一緒にPCと接続するための USB 3.0 ( USB 3.1 Gen 1 ) ケーブルが同梱されていますが、USBコネクタ部分を除いたケーブルの長さが 90cm 程度と短いです。開発段階ではこれでも大丈夫なこともありますが、本番環境などでは 90cm などでは全然足りず、USB ケーブルを延長する必要があります。

しかし単純に USB ケーブルの延長と言っても、ケーブルの選択を間違っては正しく動作しません。特に本番環境の現場では、どのようなケーブルが使用されているかわからないケースもあります。ケーブルって見た目は同じですからね。

今回、私も Intel RealSense D435 を使用しており、本番環境では 10m 程度の長さが必要であったため、安価な USB エクステンダーの購入を検討し購入しましたので、USB エクステンダーについて紹介します。

USB エクステンダー

USB 3.0 ケーブルの長さは上限が 3m と決まっています (USB 2.0 ケーブルは 5m) 。これ以上延長したい場合は、リピータケーブルを利用する必要があります。このリピータケーブルには、

  • パッシブタイプ
  • アクティブリピータタイプ
  • 光リピータタイプ

などがあります。
通常、パッシブタイプは単純にケーブルを伸ばしただけですので、長い距離は延長できません。アクティブリピータタイプと光リピータタイプは、途中で信号を増幅させるリピータ機能が付いています。また、アクティブリピータタイプよりも光リピータタイプの方が距離を長く延長することができます。

Newnex社製 RealSense Extender

インターネットで「RealSense USBエクステンダー」などで検索すると、Newnex社製の「 RealSense Extender 」が出てきます。
http://www.viewplus.co.jp/product_newnex_products/6_index_detail.html

この商品は、アクティブリピータタイプで16mまで、光リピータタイプでなんと 100mまで RealSenseでの動作が保証されており、品質が非常にいいです。私は直接利用したことはないですが、同じ現場で別の開発者が Intel RealSense D435 を利用するため、光リピータタイプ 50m のものを利用していました。ただし非常に高価なものであり、簡単には手に入りません。

アクティブリピータタイプ

私の環境では 10m の延長が必要であり、なるべく安価である必要がありました。また入手が容易であることも条件にあります。そのため、手っ取り早く Amazon で購入できるものを探しました。

USBエクステンダーを Amazon で検索すると、数多くの商品が表示されます。しかしここで注意が必要なのは、 Intel RealSense D435 は USB 3.0 ( USB 3.1 Gen 1 ) のケーブルであることです。間違って USB 2.0 のUSBエクステンダーを購入してしまうと、正常に動作しません。試しに手元にあった規格の異なる USB エクステンダーで Intel RealSense D435 を接続すると、「 Connect a RealSense Camera or Add Source 」と表示されたままでデバイスを認識しませんでした。

必ず USB 3.0 ( USB 3.1 Gen 1 ) 対応のものを選んでください。またケーブルの距離が長くなるほど信号は減衰してしまうので、信号を増幅するリピータ機能がついていることが望ましいです。そのため、私はアクティブリピータタイプの 10m に絞って商品を選びました。ここまで検索を絞ると、関係のない商品を除くと、数個程度の選択肢しかありませんし、USBケーブルとしてはそれなりの値段になります。その中から私は「 サンワサプライ USB3.0アクティブリピーターケーブル10m KB-USB-R310 」を購入してみました。

KB-USB-R310 と Intel RealSense D435 を接続

KB-USB-R310 は、USB 3.0 に対応していることはもちろんのこと、セルフパワーでもバスパワーでも利用することができます。実際に Intel RealSense D435 と接続して正常に動作するか確認してみたいと思います。

まずは USB エクステンダーなしの場合です。当然のことながら、正常にデプスセンサ・カメラとして動作しています。

次にアクティブリピーターケーブル10m KB-USB-R310 により 10m 延長し、バスパワーで接続した場合です。

こちらもUSBエクステンダーなしと同じように表示されているので、正常ですね。
ではセルフパワーで接続した場合はどうでしょう、結果は次の通りです。

今回の場合セルフパワーでも問題なく表示することができました。KB-USB-R310Intel RealSense D435 の相性は問題ないことが確認できました。

まとめ

今回、USBケーブルを 10m 延長するために購入した KB-USB-R310 は、 Intel RealSense D435 との相性に問題なく正常に動作しました。

実は私も過去の現場で数十メートル先にある USB センサデバイスが正常に認識されない問題を経験しました。結局のところ、現場の機器担当者がケーブルの種類を認識しておらず、間に異なる規格の USB ケーブルがあったことが原因でした。ケーブルは見た目ではわからないため、慎重に選択する必要があります。

実のところ、事前に Intel RealSense D435 の USB エクステンダーの実例がないか検索しましたが、私には見つけることができませんでした。そのため、私も今回は正常に動くかひやひやしながら購入しました。安くはない買い物ですからね。

TKS2では、Intel RealSenseを用いたセンシングのプロジェクトも可能ですので、もしお困りのときはぜひお声がけください。