ハードディスク廃棄前の消去方法
PCが新しくなるにつれて、古いHDDを廃棄する機会が増えます。
最も確実な方法は、物理的に破壊するか、専門の業者に依頼することです。
しかし、念には念を入れて、自社でできる範囲の処理は事前に行っておきたいものです。
私も可能な範囲でHDDの消去を行っているため、その手順を紹介します。
これまで、Windows上で専用ツールを使ったこともありましたが、不安定なことが多かったため、現在は主にLinuxを利用しています。
今回は、Ubuntu 24.04 LTSのライブUSBを使ってHDDを消去する方法を紹介します。
1. ライブUSBの作成
詳細は割愛しますが、一般的な手順は以下の通りです。
- Ubuntu Desktop 24.04 LTSのISOイメージをダウンロード
https://jp.ubuntu.com/download - Rufusなどのツールを使ってUSBメモリに書き込み
https://rufus.ie/ja
2. Ubuntu 起動
UbuntuのライブUSBをPCに挿入し、BIOS設定でUSBから起動するように設定します。
起動後、Ubuntuのライブセッションを選択してください。
※ 間違ってインストールを選ばないように注意しましょう。
例えば、Windows 11のBitLockerで暗号化されているPCに誤ってインストールすると、Windowsが消えたり、BitLockerの復号ができなくなる恐れがあります。
3. 対象ディスク名の確認
ターミナルを開き、以下のコマンドで接続されているディスクを確認します。
lsblk
例えば、/dev/sda がHDDであれば、これをターゲットにします。
※ 絶対にUSBやSSDなど誤ったディスクを指定しないように注意してください。
4. shredコマンドでDoD方式に近い消去を実施
ターゲットディスクが判明したら、以下のコマンドでHDDを消去します。
消去方法はDoD(米国国防総省)方式に近いものです。
sudo shred -v -n 3 -z /dev/sdX
- -n 3: 3回ランダムデータで上書き(DoD方式の基本に相当)
- -z: 最後にゼロで上書き(仕上げ)
- -v: 進行状況を表示
処理には長時間かかるため、気長に待ちましょう。
私の環境では、1TBのHDDを消去するのに約20時間かかりました。
まとめ
今回はUbuntuのライブUSBを使ってHDDを安全に消去する方法を紹介しました。
自己防衛の観点からも、HDDの廃棄前にはこのような手順を踏むことをおすすめします。
なお、SSDの廃棄についてはこの方法は適さないため、別途適切な消去方法を検討してください。