ベッドで快適にPC作業をするためのアイテム選び
はじめに
皆さんは、ベッドで仰向けに寝転がりながらPC作業ができたらいいなと思ったことはありませんか?私も同じで、リラックスしながら作業をするために、ラッコスタイル(お腹の上にパソコンを置くスタイル)や、角度を変えられるローテーブルを使ってベッドで作業をしていました。しかし、これらの方法では長時間の作業には不向きで、特に腰を痛めてしまった時にはさらに大変でした。
そんなある日、腰の病気で立つことも座ることもできなくなり、ほぼ一か月間は椅子に座って作業することができませんでした。リモートワークのおかげで自宅で仕事を続けることはできましたが、体の状態が悪化している中、ラッコスタイルやローテーブルでは快適に作業することはできませんでした。そこで、ベッドにいながらも快適にPC作業ができる環境を真剣に考えることにしました。
今回のブログでは、寝ながら快適にプログラミングなどのPC作業をするために試したアイテムをご紹介します。ノートパソコンアーム、ARグラス、VRゴーグル、モニターアームの4つのアイテムについて、そのメリットとデメリットを徹底比較し、実際の使用感もお伝えします。
ローテーブル
最初に試したのは、すでに自宅にあったローテーブルです。このテーブルは、天板の角度と足の高さを調整することができ、ノートパソコンがずれ落ちないようにストッパーもついています。ベッドに寝た状態でお腹の上に置くと、ノートパソコンを快適な位置にセットできます。
しかし、ローテーブルの使用にはいくつか問題がありました。特に私の場合、腰の痛みで体を定期的に動かさなければならず、そのたびにテーブルをベッドの横に避けてまた戻すという作業が必要でした。この作業が思った以上に大変で、体を自由に動かせない状態ではテーブルの移動だけで時間がかかってしまいます。
結論として、ローテーブルは一時的な解決策としては良いですが、長期的な使用には不向きです。健常な状態であれば、寝ながらPC作業を始める入門としては十分かもしれませんが、私のように体が不自由な状態ではすぐに次の選択肢を探す必要がありました。
ノートパソコンアーム
次に試したのは、ノートパソコンアームです。これはモニターアームに似た構造で、ノートパソコンをセットできるアームです。私が選んだのは「LOE LOL1S Pro」という製品で、ガススプリング式のアームが特徴です。これにより、上下の調整が非常に容易で、作業中にちょっと高さを変えたいときにも簡単に対応できます。
ノートパソコンアームの大きなメリットは、アームが柔軟に動くため、作業中に簡単にノートパソコンの位置を変えられる点です。ベッドから移動する際も、片手でアームを動かしてノートパソコンを横に避けられるため、非常に楽になりました。寝ながらPC作業をするなら、このアイテムは必須と言えるでしょう。
しかし、ノートパソコンアームにもいくつかのデメリットがあります。例えば、ノートパソコンを寝た状態でタイピングしやすい位置に調整すると、画面が普段より遠くなり、文字が小さく見えてしまいます。解像度を低くして文字を大きくすると、表示できる情報が減ってしまうため、作業効率が下がることもあります。
VRゴーグル
さらに大きな画面で作業をしたいという思いから、VRゴーグルにも挑戦してみました。普段は50インチモニターで作業しているため、それに匹敵するような大画面を求めていたのです。VRゴーグルは、まさにそのためのアイテムだと思いました。
私は以前からMeta Quest 3のVRゴーグルを使っていました。公式で提供されている「Remote Display」というリモートデスクトップアプリを使うことで、仮想空間に大画面のモニターを設置できるのです。また、「Immersed」というアプリを使えば、複数のモニターを仮想空間に配置することも可能です。これにより、広い視野角で作業ができるため、非常に便利です。
しかし、VRゴーグルには大きなデメリットもありました。長時間の使用で目が非常に疲れやすく、VRゴーグルを外した後は現実世界で焦点が合わないこともありました。また、顔への圧迫感も気になり、長時間の集中作業には向いていませんでした。さらに、VRゴーグル自体が高額で、新たに購入するにはコストがかかるため、コストパフォーマンスの面でも問題があります。
ARグラス
次に試したのは、話題の「Xreal Air 2」というARグラスです。これはメガネのように装着して、スマートフォンやPCの画面を目の前に大画面で表示できるアイテムです。新しく購入して試してみましたが、結論から言うと、プログラミング用途には不向きでした。
その最大の理由は視野角の狭さです。Xreal Air 2の視野角は46度しかなく、VRゴーグルと比べると非常に狭いです (Meta Quest 3 の視野角は水平方向 110 度、垂直方向 96 度) 。そのため、複数画面で作業すると画面の隅がぼやけて見えたり、視界の端が真っ暗になったりして、非常に不自然でした。さらに、画面の隅のぼけはプログラミング作業においては非常に不便で、必要な情報が正確に見えないのは大きな欠点です。
一方で、ARグラスの画質は非常に高く、特に動画鑑賞やゲームには適していると感じました。しかし、プログラミングなどのテキストベースの作業には向いていないと感じました。
モニターアーム
最後に試したのは、モニターアームです。寝ながら大画面で作業をするには、結局のところ実物のモニターが必要だという結論に達しました。私が選んだモニターアームは「LOE」の製品で、2本のアームを持つモデルです。これにより、モニターとノートパソコンを同時に設置でき、非常に便利です。(VESA対応のノートパソコントレイも別途用意しました。)
私がベッド用に用意したモニターは、Dellの27インチのUSB-C対応モデル「S2722DC」で、重量は5.4kgです。このモニターは大きすぎず、寝ながらの作業にも適しています。また、USB-Cで給電できるため、ケーブルの煩わしさも少なくなります。
モニターアームを使うことで、ベッドでの作業が非常に快適になりました。ノートパソコンの画面を複製して外部モニターに表示する設定にしているため、目線を大きく動かす必要がなく、首への負担も少ないです。
まとめ
ベッドで快適にPC作業をするためには、いくつかの工夫が必要です。ノートパソコンアームは必須アイテムであり、大画面での作業を希望する場合は素直に大きなモニターを使用するのが良いでしょう。VRゴーグルやARグラスは一部の用途には向いているかもしれませんが、プログラミングなどの集中作業には不向きです。
現在、私は仕事では通常のデスクで作業していますが、個人プロジェクトや動画鑑賞の際にはベッドで快適に作業できる環境を活用しています。今後も新しい技術やアイテムが登場することを期待しつつ、自分に最適な作業環境を探求し続けたいと思います。